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神奈川支部会・第120回医師国家試験| Vol. 43
ミラノ・コルティナで開催されたオリンピックですが、日本はもとより多くの国々の選手が力を発揮して素晴らしい競技を披露され、私も毎日感動させて頂きました。1924年の初めての大会から約100年を経て、たとえばスピードスケート女子500メートルは、1960年の記録では45.9秒、2026年の記録では36.49秒と約20.5%短縮されました。記録の更新には、リンク環境や計時またトレーニング体系等々様々な要因が関わっていると思います。しかしそれら全ての環境要因を糧に大いなる記録に挑むのは選手一人一人であり、その素晴らしい技術と高い精神性に私たちは感動するのでしょう。
今年の2月7日8日は第120回医師国家試験が行われました。私たち同窓会も宿泊先のホテルに行き激励を行いました。その翌週に私が所属している医師会の広報委員会の会合があり、席上で国家試験についての話題となりました。委員会には昭和34年(現在94歳の委員会の重鎮です)、58年、60年、62年、平成8年に国家試験を受験した先生が集まっていました。昭和34年では筆記試験だけでなく口頭試問があったようで、委員会の先生からは「それはやばい。無理だ。」などの声があがりました。また昭和59年までは年に2回国家試験が行われていたそうです。以前垣間見た第1回医師国家試験の問題は、各科多岐に渡る問題であり、全て筆記での回答を要求されていて驚いた記憶があります。(例えば、腹腔動脈の枝別および分布を示せ など。)私が受験した第81回は、症例問題もありましたが主には知識を問う問題でした。しかし様々な変遷を経てこのところの国家試験では、出題基準の傾向として「臨床実習の成果」や「臨床研修前の到達度」を確認する方向性となっています。多くの知識の積み重ねとともに、実習による経験も問われるようになり勉強も一筋縄とは行かなくなっています。それでも合格率の平均は過去より徐々に上昇して90%を超えるようになってきました。ちなみに私が受験した第81回の合格率平均は86.2%した。そして第119回国家試験では平均92.3%(新卒95%)でした。
先日もホームページに掲載したように、同窓会では第119回医師国家試験の結果を踏まえ、様々な学生たちへの応援をしてまいりました。さらに国家試験前日から終了日までは、獨協医科大学同窓会東京支部会の有志メンバーによる応援隊が結成され、学生たちの不測の事態に備えていてくださいました。そして宮城支部、鹿児島支部からの応援物資や個人的な応援のお品の数々を頂きました。同窓会でもバッグ詰めにした応援物資を当日配布するなどして、学生たちが少しでも安心して受験できる環境を整備してまいりました。前日に会った学生達には緊張の中にも笑顔が見られました。信じて結果を待ちたいと思います。



1月31日にはHotel Plummにて神奈川支部会が開催されました。川名明徳先生(5期)の「不眠症に対する治療」、小林さゆき先生(9期)の「聴診のすすめ」、富沢一生先生の「神経障害性疼痛―整形外科医の薬物治療戦略―」など、診療にすぐに役立つ講演が盛りだくさんでした。小林先生は私の同期であり優秀な循環器内科医です。最近ではエコーも発達し、ともすれば機会に頼りがちになる側面もある臨床ですが、丁寧な聴診により助けられる多くの命があることを再確認できました。聴診の際の聴診器の置く場所や、実際の雑音にも触れて頂き、参加していた学生にとっても良い経験でした。

コラムを書いている本日は2月23日で、先週の寒さが嘘のような春の陽気です。目黒川の桜の蕾が心なしかピンク色に染まってきています。もうすぐ美しい花を咲かせるでしょう。どうか受験生の皆さんが全員合格されますように。心から合格を願っています。
ところで、一つ残念なお知らせがあります。今年まで学生を引っ張り続け、国家試験に同行し、多くの小児を始めとする気切患者さんやその他の耳鼻咽喉科気管食道科領域の疾患において、獨協医大を牽引し続けてこられた平林秀樹先生(1期)が3月で国家試験対策など教育関連のお仕事をお辞めになるとのことです。学生の応援には同窓生の力が不可欠です。私立医大には私立医大の学び方があると思います。獨協医大の素晴らしい協調の心や優しさなど良い側面を生かしていく教育が行われる事を同総会は希望し続けています。