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コラム会報誌研究発表

<座談会>第119回医師国家試験を振り返って -医師国家試験と同窓会応援-

 獨協医科大学同窓会では、令和7年4月に新たに126名の新規同会正会員をお迎えしました。4月に入り多くの同窓生は初期臨床研修医として全国様々な医療機関で「医師」としての研修を行っていることと思います。4月に入り、東京で臨床研修をスタートした同窓生の何人かが、私のクリニック顔を見せてくださいました。3月に実施した同窓会主催の卒業記念祝賀会の時にお見受けした時とは違い、非常に希望に満ち溢れた頼もしい顔ぶれでした。その中で、同窓会の応援事業や国家試験対策などの様々な意見を頂き、今後の同窓会として更なるサポート体制を構築すべく、急遽、座談会を実施しました。
 座談会には、同窓会評議員の武井 秀和 先生と令和5年度国家試験対策員会委員長であった赤岩 佑河 先生をお呼びし、国家試験の現状と対策、同窓会での援助体制について真剣に討論いたしました。


 座談会に先立ち獨協医科大学に第119回医師国家試験の合格状況について情報の共有を行い座談会へと進みました。

<獨協医科大学における第119回医師国家試験合格者状況>

受験者数(人)合格者数(人)合格率(%)
  (全国平均)
順位(位)
受験者13311989.5(92.3)74/82
新卒者12611490.5(95.0)74/82
既卒者 7 571.4

(参考)獨協医科大学における過去の医師国家試験受験者総数における順位
    第118回医師国家試験 31位/82校
    第117回医師国家試験 42位/82校
    第116回医師国家試験 40位/81校

座談会開始にあたって

会長:本日は、お忙しいところお集まりいただきまして誠にありがとうございました。令和6年度の国家試験および同窓会の国家試験応援について振り返り、今年度からの同窓会が出来る学生支援について意見交換できると幸いです。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

赤岩:本日はお招きいただきましてありがとうございました。私は、初期臨床研修医2年目として神奈川県横浜市の病院で研修を行っています。学生時代は、国家試験対策委員会の委員長として同期の国家試験合格のサポート、後輩達の勉強のお手伝いなどをしていました。今は、同窓生として後輩の力になれればと思っています。

武井:第119回医師国家試験に合格し、今は、群馬県前橋市の病院で初期臨床研修医1年目として研修をはじめました。先週は、初めての当直業務をして何事も新鮮な毎日を送っています。今年の国家試験の結果は非常に残念なものになってしまいました。来年の受験生は、全員合格を目標に頑張ってもらいたいですし、様々な応援をしたいと思っています。

医師国家試験受験の感想

会長:医師国家試験を受験してどうでしたか。
赤岩:これまでの人生で一番緊張しました。前夜も全然眠れませんでした。しかし、人生で一度なので楽しもうと、友人と朝マックに行ったりすることで緊張をほぐしていました。
武井:朝マック…胃もたれしそうです(笑)。自分も人生で一番緊張しました。でも意地でも夜のカツ丼だけは食べました。自分は最終日9日の最終ブロックが解き終わったら直前にチョコやどら焼きを食べていたにもかかわらず低血糖で立ち上がれなくなってしまいました。異常な緊張感とアドレナリンだったみたいです。また、試験当日は同窓会の東京支部会の先生方が24時間体制でサポートや、千木良会長を代表とする先生方と国対委員の後輩による国試サポート隊を結成してくださりホテルの入り口で差し入れをしてくださったのは非常に力になりました。

第119回医師国家試験合格率の低下はなぜか?

会長:本当にお疲れ様でしたね。さて、第119回医師国家試験の合格率は前年度に比べて非常に下がってしまったと聞いています。率直にこの結果を受けてどう思いますか。
武井:非常に悔しいです。大学の先生方からは受験前に、「共用試験(CBT)の点数(IRT値)も非常に高く、安心して吉報を待っている。」と激励を受けていました。しかし、82校中74位といった結果となってしまい非常に残念でした。
会長:そうだったんですね。客観的振り返り何が原因であったと考えますか。
武井:難しい問題ですね。まず、学年のカラーがあり、「こうすれば全員が合格する」といった基準はないです。大学の先生方から「合格するでしょう」といったお言葉を頂いたことで、少し気が緩んで最後の頑張りがおろそかになったのかと考えています。また、大学のカリキュラムも目まぐるしく変化しておりますので落ち着いた学習が出来なかったと思います。他に、国家試験対策を行う予備校も自分たちの希望に沿わない内容もありました。
赤岩:今回の合格率の低下については検討が必要であり、今の段階で原因を明確には出来ません。だた、新卒ですと約95%が受かる試験ですので、柔軟にされど芯を持った勉強が必要と考えます。その中で、大学の授業だけでは国家試験対策は不十分であり、予備校の力も借りた勉強が必要と考えます。しかし、予備校の体制も目まぐるしく変化していますので、学年にあった予備校の授業の導入が必要だと思います。

国家試験対策

会長:私が国家試験を受験する時には予備校の模試を受ける位でしたが、今は多くの予備校があるのですか。
武井:国家試験対策の予備校は主要なもので4社ほどあります。90%以上の学生が何らかの予備校を利用して対策しています。

会長:ところでお二人はどの様な国家試験対策を行っていたのですか?
武井:僕は「メディック・メディア社のQアシスト」という教材を使用していました。疾患や単元ごとにコマになっているため、1コマが短いものだと5分程度で集中力のない自分にはピッタリでした。
赤岩:低学年から「medu4」という会社の教材を使っていました。メジャーからマイナー、公衆衛生まで全ての教科を一人の先生が授業をしていて、一貫性があることや強弱をつけながら箇条書きで必要なポイントを過不足なく説明してくれること、テキストが作り込まれていてとても復習しやすいことが特徴ですね。
会長:皆さん様々な国家試験対策をされていたのですね。ここは、経験者として学生の皆さんに直にお話しいただきたいものです。
赤岩:皆さん、それぞれの形で学習されると思いますのでひとつの方法として是非ともお話しできればと思います。
武井:僕のやり方をみて頂き、自分に合った学習をして頂ければです。誰もが二度と受けたくない試験と言いますし、一度きりの試験ですし後悔ないよう応援していきたいです。

会長:大学での国家試験対策はどの様なものをやっているのですか?
武井:一番のイベントは、年末年始で行われる国家試験の合宿ですね。国試サポート委員会の先生もご協力してくださり、どうしても緩みがちな国試1ヶ月前の年末年始に約4割の学生が強制参加で勉強しています。
赤岩:その合宿の恒例行事となった“同窓会からの激励”もありがたいですね。千木良会長やトモエ乳業の中田先生、支部会の先生をはじめとする先生方からの激励のお言葉と差入れはありがたいです。学習面だけではなく先輩として精神的サポートをして頂けており心強かったと思います。
武井:大学でも予備校の講座を購入してくださっているのですが、受験生のほとんどはみていません。その学年の希望に合わせて予備校の選定をして頂けたらと思いました。

同窓会の医師国家試験支援は

会長:さて、最後になりますが今後の同窓会の国家試験支援はどの様なものを希望しますか。
赤岩:予備校の講師をお呼びしての弱点科目対策などあるといいですね。各学年で教授が変わったことやコロナの影響、カリキュラムの変更などの煽りを受けて苦手なポイントも変わってくるかと思います。それらに対して柔軟に対応していけそうなのはとてもありがたいことです。また、国家試験がどういうものかを知る機会があるといいかもしれません。敵を知らなければ戦えませんので。
武井:僕も同意見です!付け加えるとすると、わからない問題や調べてもわからないポイントを質問できたり、アウトプットする機会があったりするといいかもしれません。国家試験に準じた内容の口頭諮問形式の授業などがあると勉強になりそうです。
会長:どちらも面白いですね!早速検討してみましょう!国家試験を終えて卒業した卒後の若い同窓生が国家試験サポートを行える環境があるといいですね。同窓会会員と手を取り合い、可愛い後輩たちが全員国家試験を合格し、獨協医科大学の同窓生として活躍してくれることをひたすら祈っています。
本日は、ありがとうございました。


座談会を通して同窓会による学生支援の方向性が明確化されました。獨協医科大学の建学の精神は、「学問を通じての人間形成」です。同窓会に出来ることを将来正会員になる学生に還元すべく様々な活動を行います。同窓生の皆様をはじめ多くに皆様からのご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。