情報

  1. ホーム
  2. >
  3. 情報
  4. >
  5. がんばれ受験生!・神奈川支部会|Vol.31
コラム会報誌研究発表

がんばれ受験生!・神奈川支部会|Vol.31

「⽉⽇は百代の過客にして、⾏き交ふ年もまた旅⼈なり」とは松尾芭蕉「奥の細道」の冒頭です。6年前に⼊学してきたピカピカの⼀年⽣も、来たる2⽉8⽇9⽇に医師国家試験に臨む事になります。


年が明けての1⽉16⽇に、2回⽬の6年⽣へのインフルエンザワクチン接種とおやつの配布に⾏ってまいりました。どの学⽣も緊張はしていましたが、前向きに勉強に励んでいるようでした。精神的には嫌な時期だろうと思いますが、何とか頑張って欲しいと願っています。今回も佐藤病院の佐藤勇⼈先⽣(9期)には⼤変お世話になりました。⼼よりお礼を申し上げます。


1⽉25⽇は、神奈川⽀部会が横浜の「ホテル プラム」にて開催されました。川名明徳⽀部⻑(5期)の挨拶の後に、第⼀部の総会講演として、⽵⽥陽介先⽣(28期)の「⼈も地域も元気にする共創病院のつくり⽅」と猪⼝雄⼆先⽣(1期)の「医療提供体制あれこれ、加えて獨協学園の現状」の2題の総合講演がありました。⽵⽥先⽣は私の恩師でもあります⽵⽥幸⼀先⽣(本学旧循環器内科助教授)のご⼦息で、また循環器内科の同⾨でもある事が分かり、⾮常に懐かしい思いが致しました。お話しの中で感銘を受けましたのは、「すこやかという事は、単に⼈体として医療的に健やかという事だけではなく、⼀⽅で社会的な健やかさや社会的な幸せという事も⼤切である。喫煙という事も単純に責めたりする話ではない。」というお話しでした。思い出したのは、私の⼤好きなピアニストで東京⾳⼤の学⻑を務められた野島稔⽒がずっと愛煙家だった事です。野島⽒は2022年に肺がんで亡くなられました。現在世界的に活躍されているピアニストの藤⽥真央⽒は野島稔⽒の愛弟⼦ですが、彼も⼀時野島⽒に影響されて喫煙していました。確かに医師という⽴場からは喫煙習慣は決して勧められるものではありませんが、喫煙が⼈⽣の友達と考えている⽅を否定ばかりするのも違うのだなと思いました。また、猪⼝先⽣は⾔うまでもなく本学園の理事⻑ですが、病院協会会⻑として、現在の医療体制について様々な素晴らしい知⾒を披露して下さいました。さらに第⼆部では、本学腎臓・⾼⾎圧内科准教授の本多勇晴先⽣(16期)から「神経障害性頭痛のリスクマネジメント〜患者さんのQOL向上を⽬指した治療のコツ〜」をご講演頂きました。本多先⽣も私と同⾨で、あの可愛い研修医だった本多先⽣が⽴派になられたなぁと⼤きな感慨をもって拝聴させて頂きました。

神奈川県⽀部では140名ほどの同窓⽣が活躍しておられます。今回も川名先⽣を始め、多くの先⽣が同窓会を盛り上げるために頑張っておられるお姿を拝⾒する事ができ、本当にありがたく感謝申し上げます。会の途中で少しお時間を頂く事ができましたので、現在の医⼤の現状についてお話しさせて頂きました。会報巻頭⾔にも書きましたが、私たち獨協学園の学是は「⼈格形成のための学問」という天野貞祐先⽣の掲げられたお⾔葉です。このお⾔葉は学⽣に与ふる書にも詳細が書かれていますが、「何のために学問をするのか、どのような姿勢で学問に挑むのか」という事にその⾔葉の本来の意味があります。理系にはそぐわない学是だという事を⼀部吹聴する⼈がいるようですが、命に関わる学問だからこそ⼼に刻む必要があり、天野先⽣のご著書を真摯に読まれる事をお勧めしたいと思います。


私たち同窓会は、他の全ての私⽴医⼤または私⽴の医学部と同じく、学是を⼤切にし、また学祖を⼤切にしたいと考えています。そしてこの⻑い伝統のある獨協学園の構成校である事を誇りに思っています。同窓会はさらに、全ての同窓⽣と未来の同窓⽣である学⽣を⼼から⼤切に考えています。これからも同窓会を応援して下さいますようどうぞ宜しくお願いいたします。