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コラム会報誌研究発表

埼玉支部会と茨城支部会(いばらの会)・桜について|会長コラムVol.24

春の長雨と申しますが、最近のお天気の変わりようは激しいものがあります。そのためか目黒川の桜も例年より開花が遅れました。本日は(4月7日)満開です。本学の入学式には美しい桜が見られるでしょう。


本年3月23日は埼玉支部会が、ホテル ブリランテ武蔵野にて開催されました。特別講演は、阿部七郎先生でした。「冠動脈疾患に対する薬物治療〜昨日・今日・明日〜」という題で、お話くださいました。現在までに至る冠動脈疾患のカテーテル治療の変遷や、冠動脈危険因子はとにかく治療目標に近づける、虚血の証明無くしてインターベンション無し、PCI後は閉塞、出血のコントロールが重要など分かりやすくご講演くださいました。なかでも印象深かったのは、「力無き正義は無力であり正義なき力は非道である。」というパスカルの言葉でした。阿部先生ありがとうございました。その後の懇親会では、支部会長の10期石井裕二先生を始め、若手からベテランまで幅広い先生が参加され、非常に盛り上がった会になりました。10期の阿部七郎先生のご講演があるという事で、多くの10期生が参加されていた事が印象的でした。



4月6日は茨城支部会(いばらの会)がテラスザ・ガーデン水戸で開催されました。学術講演は埼玉支部会と同じく阿部七郎先生でした。阿部先生は八面六臂の活躍ぶりです。その後の懇親会では3期から38期までの同窓生が集まりました。10期の橋本昌典支部会長の挨拶から始まった会は、同じく10期の大山眞先生の知己に富んだ司会進行の下で大変素晴らしい会でした。埼玉も茨城も10期生が大活躍でした。



皆様は、後水尾天皇をご存知でしょうか。後水尾天皇は1596年にお生まれになり、1680年に没するまで、安土桃山時代から江戸にかけて、朝廷と幕府との関係性に尽力された天皇です。好きな女性との間に子供も儲けながらも、徳川家から妻を娶り、それでも幕府の圧力による確執の中で譲位を敢行。学問がお好きで和歌を良く詠み寛永文化を花開かせました。



上の写真は、2期生の竹岡秀生先生から頂きました。「ミクルマカエシ」と名前のついた桜です。後水尾天皇が、その花のあまりの美しさに、乗っていたお車を引きかえさせてつくづくと眺めたため「御車返し」という名前がついています。最晩年の80歳の時に、和歌御会で、霊元天皇が御賀とともに贈った歌に対し、「つくからに千年の坂も踏みわけて 君が越ゆべき道しるべせむ」と詠まれました。これから本学に入学してくる学生の皆様や今年医師となられた同窓生に対し、私たちもこのお歌のような気持ちでいたいと考えています。それこそがプロフェッショナリズムの基本だと思うからです。同じ大学で学んだ先輩である私たちが、真実を追求し正しい道を示していく事は、人として正しく生きる事の大切さを後輩に教えていける一つの手段です。ちなみに、先の霊元天皇の御歌は、「君が手に今日とる竹の千夜の坂 こえてうれしきゆくすゑも見む」でした。このように詠われる事こそ、先に生まれた者の誉でしょう。写真の桜「ミクルマカエシ」は、「いかにして此身ひとつをたださまし国をあさむる道はなくとも」と詠んだ後水尾天皇のお心を支えたのです。


同窓会長としての2期目が始まりました。副会長を始め常任委員のメンバーのお披露目は次回に致します。
花冷えの季節です。どうか皆様お身体には十分にお気をつけ下さい。