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コラム会報誌研究発表

江口光興先生の事|会長コラム Vol.9

文字通り飛ぶ様に日々が過ぎていきます。今年も1ヶ月が過ぎました。


新しい会報はいかがでしたでしょうか。改良すべき点はもちろんありますが、沢山の先生やスタッフのおかげで良い会報になったと思っています。今年も色々と企画を考えております。


さて、1月は硬式庭球部のOBOG会と神奈川支部会に参加させて頂きました。(詳細はHP上の井原啓佑先生(31期)と渡邊直人先生(10期)の報告をご覧ください。)どちらの会でも若い世代の卒業生が参加されており活発な活動の様子が伺えました。また時間を頂いて同窓会の活動についてお話しさせて頂く事もできました。関係者の皆様ありがとうございました。


また新年早々に、平田副学長(2期)による同窓会主催初のオンライン講演会を開催いたしました。演者の平田幸一先生、参加された先生ありがとうございました。次回からミュート解除にして頂いて、講演後に皆様にお話し頂いても良いかなと考えています。第二弾は春木宏介先生(8期)を予定しています。皆様是非ご参加ください。


ところで、今回は小児科の名誉教授江口光興先生についてお話しさせて下さい。


岡一雄先生(7期)から、江口光興名誉教授(小児科)の詩画集を送って頂きました。「風の伝言」江口みつおき詩画集という本です。江口先生は、大学を定年退職されてから本格的に油彩を描かれ、また絵本も出版されています。獨協医科大学埼玉医療センターで働いている先生は、江口先生の「秋日和」という作品を日々目にしておられるでしょう。江口先生の絵はミレーの筆致にも近いようですが、独特の色合いで、早朝や夕暮れ時の淡く光が移ろいゆく様子がとても美しく描かれています。お優しい江口先生の人柄が、絵の中に溶け込んでいるように見えます。隣に添えられた詩によってさらに絵に力が加わり、静かな感動を覚えました。


私は特に「たそがれの詩」という絵に深く心を奪われました。小さく決して立派とはいえない牧舎の静かな佇まいと、それを囲んで遙か昔から存在している雄大な自然。この素晴らしいコントラストに添えられた短い詩。全てが調和し、心の奥に優しく響いてきました。


「たそがれの詩」に引き寄せられたのは、私がその前日に満州から引き揚げて来られた人々についての本を読んでいたせいもあるかもしれません。行きは万歳万歳と見送られ、帰りはコソコソと、錆びた缶と壊れかけた鉄兜だけを後生大事にリュックに入れてやっと辿り着いた故郷。そこで生きる以外に選択などない人生や、引き揚げの時に失ってしまった幼い命や、そういった全てを諦めて暮らしていくしかない人々が、しかしそれらは描かれていないのにも関わらず見えるような思いがしました。


江口先生の御著書は、「こねこの物語」として4冊と、先に紹介しました「風の伝言」があります。是非ご覧になって頂き、感動を共有できたらと思います。また次号の会報では、江口光興先生と岡一雄先生の対談の掲載を予定しています。どうかお楽しみにお待ちください。


当院の周辺ではインフルエンザA型が流行してしまい、学級閉鎖が散見される様になりました。寒さもピークを迎えましたね。皆様どうか気をつけてお過ごしください。