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コラム会報誌研究発表

同窓会について(育むという事)|会長コラムvol2

7月2日に神奈川支部会の会合に参加してまいりました。神奈川支部会は100人程度の同窓生がおられます。毎年川名先生や渡邊先生を中心に、20期代30期代の先生も参加したアットホームな雰囲気の支部会を開催されています。対面では、およそ2年ぶりとなる開催でした。


私は東京支部会長時代から参加していますので、オンラインを除けば8回目の参加となります。懐かしいお顔を沢山拝見できて嬉しかったですし、何よりも若い世代が同窓会支部会に関わって下さっているのを目の当たりにでき幸せな気持ちになりました。


今年の講演会は、室賀一宏先生の ‘漢方セミナー(五苓散について)’ 下田貢先生の ‘肝胆膵手術のトータルマネージメント’ の2題でした。


室賀先生はオペラシティクリニックで漢方を中心とした外来をなさっています。漢方薬をお使いの先生も多いと思いますが、学ぶ機会は少なく、今回の講演は非常に良い経験でした。中でも比較的多く臨床で使用される五苓散について、使用経験と特別な使い方や効果的な内服方法などを分かりやすくお話し頂きました。


下田先生は東京医科大学茨城医療センターで消化器外科教授の職に就かれています。今回は私のような内科医にも分かりやすい内容で、肝臓腫瘍や胆石症の手術について画像を交えながら講演して下さいました。講演の終盤で、ウルグアイの第40代大統領であるホセ・ムヒカ氏について述べられました。ホセ・ムヒカ氏の事は、‘世界で一番貧しい大統領’ として皆さんはご存知かも知れません。政策には極端な面がある事から、賛否両論のある大統領でした。しかしながら様々な改革をし、日本にも来日されて、若者への人生の助言として多くの言葉を残しています。下田先生はその中から、‘多くの事を成し遂げるより、自分を超える人間を作る事だ’ という言葉を引用して講演を締め括られました。


実際に人を育てるという事は、学問の世界ではもちろんの事、どのような職業にとっても大切で重要で大変な事です。双方に忍耐が必要ですし、時間もかかり、成功したかどうかはずっと未来にしか判断できません。これはなかなかの大仕事です。


同窓会は直接に学問等を教える事はできません。しかし学術団体援助金や研究支援金を作り、教える先生や教えられる先生の力になろうと様々に考え実行しています。


学術学術団体援助金は、本会会員が会長として開催する学術集会などの運営を支援するために、一件につき10万円が支給されます。また研究助成金は、学内外で活躍している同窓生の研究の推進と発展を助成します。これは一件について50万円が支給されます。また産業医講習会を援助開催して、広く同窓生の産業医活動をバックアップしています。今後もまた様々なアイデアを出しながら、少しでも同窓生の助けになれるように同窓会は頑張っていきたいと考えています。


ところで、そういった助成金や研究費は皆様の会費によって成立しています。謂わば同窓生が同窓生を助け育てているという事になります。大学を卒業して離れてしまうと、同窓会に会費を支払う事に色々と考える時もあると思います。しかし皆様の会費は決して無駄にする事無く、現在の若い同窓生たちや未来の同窓生である在学中の学生の皆様に使われています。(もちろん会長以下執行部も無料奉仕です)その意味でも皆様から頂戴する会費はありがたく、心からお礼を申し上げます。


一方で、大学院生や留学中または産休などの先生については、今後一時的に会費納入のストップ可能な制度を作る、また会費を随分と滞納してしまった場合の対応なども考えていく必要があるでしょう。これらの事も十分対応しながら、同窓会費を同窓生のために有効に使用する方向を検討していきたいと思います。皆様のお知恵も是非お借りしたいと思います。


どうかこれからも同窓会を宜しくお願いいたします。