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会員支部会

国際学術誌「Science」に掲載|平林 秀樹先生(1期生)

平林 秀樹先生(1期生、獨協医科大学特任教授)らの研究が、2022 年 8 月 11 日(現地時刻)に米国の国際学術誌「Science」(共著)に掲載されました。


平林先生は、獨協医科大学を卒業後、気管食道科(故 日野原 正教授)へ入局され、ヒトの発声や声帯形成についてのご研究をされていました。


平林先生は、1984-85年の夏に日野原先生と愛知県犬山市の霊長類研究所で色々なサルの喉頭の観察を行いました。その当時は、声帯構造は解明できるものの、音声コミュニケーションとして、声帯から発生される振動特性や音響学的効果などを科学的に解明する手段はありませんでした。

しかし、近年、京都大学ヒト行動進化研究センターの研究グループ(西村 剛先生)によって、解剖学、行動学、神経科学、工学的実験、数値シミュレーションなど多様なアプローチを総合して、解析を進められ、サル類の特徴を明らかにし、ヒトの特性およびその適応的意義を検討され、西村先生の研究の中で、平林先生らの研究データ(チンパンジーとニホンザルの発声の動画)が用いられ、米国の国際学術誌「Science」に発表されました。


平林先生は、「当時は、ヒトとサルでは何か違うはずだ!と思っていたが、解析手法がなく動画に収めることが精一杯だった。過去の研究データが、新たな技術で解明されていくことに感動し、我々の研究が、声帯形態と音声言語の進化の解明にお役に立てていることに感激している。西村先生らに感謝したい。」とお話しされています。


詳細は、同窓会会報第45号(2022年12月発行予定)で解説して頂きます。


<書誌情報>
【DOI】
https://doi.org/10.1126/science.abm1574

【書誌情報】
Takeshi Nishimura, Isao T. Tokuda, Shigehiro Miyachi, Jacob C. Dunn, Christian T. Herbst, Kazuyoshi Ishimura, Akihisa Kaneko, Yuki Kinoshita, Hiroki Koda, Jaap P. P. Saers, Hirohiko Imai, Tetsuya Matsuda, Ole Næsbye Larsen, Uwe Jürgens, Hideki Hirabayashi, Shozo Kojima, W. Tecumseh Fitch (2022). Evolutionary loss of complexity in human vocal anatomy as an adaptation for speech. Science, 377(6607), 760-763.